佐藤賢一さん『褐色の文豪』

佐藤賢一さんの『褐色の文豪』

『三銃士』や『モンテクリスト伯』などの作品で有名な、
アレクサンドル・デュマのことを書いた小説。
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父親が偉大な軍人であったことが
自慢でもあり、息子の自分は晩年の父の不遇に
鬱憤を抱いていた主人公が偉大な劇作家となるも、
浪費しすぎて破産して、零落して死んでいってしまう・・・という
絵に描いたようなお話。
デュマは共同執筆とは名のいい、
他人が書いた文章を加筆訂正して世に出すという、
今であったら確実に問題になりそうなスタイルで作品を生み出していたらしいけど、
持ち前の性格で、共同執筆者にそれでもよかった、と
思わせてしまうような人やったみたい。
デュマが手を加えると抜群に面白くなったというから、
やっぱり才能はあったんやろうね。
息子は有名な『椿姫』を書いてるし、
傑出した才能というのも遺伝するもんなんかなー?